2008年02月18日
ライト様式

さて前回に引き続き、アメリカの住宅様式をご紹介したいと思います。今回は、かの有名なフランクロイド・ライトが作ってきた建物の特徴についてです。

ライト様式による建築は、緩い勾配の寄棟屋根でつくられ、その庇には、デンティル(歯型刳
型)が取り付けられています。住棟全体にテラス、バルコニーを採用し、屋外空間と屋内空間の連続性を重視しています。横の線を強調する石積み、レンガ積みを用い、フレンチドアなど、天井から床までの背に高い開口窓を採用して、「箱」のもつ単調さを排除しています。
ライトのデザインには幾何学的なアールデコの影響が、極めて強く採り入れられている一方、箱のイメージを破壊するために片持梁をデザインの中に大きく採用しているのが特徴です。ここでライト様式と呼ばれるものは、その立地ごとに創造的に展開されるデザイン開発の思想ともいうべきもので、日本でライト様式といっているのは、ライトのデザイン要素であるパラペット付きバルコニーなどを真似たもので、これはあくまでもライト風であって、ライト様式とはいえないです。