輸入住宅のトータルプランナー関口能典（せきぐちよしのり）です。

今回は、19世紀のアメリカで産まれた住宅様式のお話。

ギリシア様式のポルティコは、大胆で力強く単純であり、2層分の高さの大きな列柱が並び、ジョージアン様式の控目な正面よりはるかに印象深い外観です。扉の上の明り窓や側窓も含めて、窓や扉はまっすぐで、角ばり、頑強で正直な印象であった。それは自信に満ち、独立した新しいアメリカの姿を象徴するものでした。

グリークリバイバル様式は、一流の建築家の手によって形とディティールの双方に驚くべき近代化がもたらされ、その結果虚飾が取払われてイギリスのリージェンシー様式にも似たデザインになったのです。アメリカにおける新しい美的情操の理想を、古典ギリシャ建築の精神の中に見出した様式と言えるでしょう。